動物たちのデンタルケア
当院では、乳歯時の咬合チェックからはじまり、破折などのアクシデント、また歳を取って麻酔リスクのある高齢動物の歯周病や口腔内腫瘍など、生活を通して歯科治療に対応できるよう努めております。歳をとって「もう麻酔はかけられないかも・・・」と思われる場合でも、ぜひご相談ください。
また、印象採取後、歯髄や歯周組織の状況によっては、歯冠修復(レジン・フルメタル、ジルコニアクラウン)などの治療も可能です。
こんな症状ありませんか?
犬の場合
- 成犬なのに乳歯が残っている
- 口臭が気になる
- 歯の汚れが目立つようになった
- 咬み合わせが気になる
- 食べづらそうな素振りを見せる
- 口のあたりを触ると嫌がる
- 歯が折れた・欠けた
- 歯肉の腫れ・出血が見られる
- 目の下や鼻が腫れている
- 口の中にできものがある
- くしゃみ・鼻水がひどい
猫の場合
- 食事中に顔をよく振る
- 手で顔を掻くことが増えた
- 柔らかいものを好んで食べがち
- 食欲がなくご飯を残す
- 前足がヨダレで濡れている
- 歯肉の腫れや出血が目立つ
- 歯の根元が見えるようになってきた
- 口内炎ができている
- どちらかの歯ばかりで噛んでいる
代表的なお口の病気
- 歯周病
- お口の中の汚れ(歯垢)には、多くの細菌が含まれています。そのなかの歯周病菌が原因で、歯肉が炎症で赤く腫れる歯肉炎を発症します。悪化すると歯を支える骨が溶け、歯周組織にまで影響を与える歯周炎を引き起こすのです。歯がグラグラと揺れるようになり、抜け落ちてしまうことがあります。歯が抜けずにさらに悪化した場合は顎の骨が溶け、最終的に顎骨折してしまうこともあります。
また、特にダックスフンドでは、上顎犬歯の歯周病により、くしゃみや鼻水を特徴とした口腔鼻腔漏が多く見られます。そうならないためにも、歯周病は早期発見と治療が大切です。初期段階で治療ができれば、歯垢や歯石を取り除き、適切な処置によって症状の回復が期待できます。 - 乳歯遺残
- 犬は生後4~6か月頃、猫は生後3~7か月頃にかけて乳歯から永久歯への生え変わりが始まります。ところが、永久歯が生えているのに、乳歯が抜けずに残ってしまうことがあるのです。これを乳歯遺残と言います。乳歯が永久歯のスペースを奪ってしまうため咬み合わせが悪くなり、食べ物が挟まりやすくなり、汚れも溜まりやすくなってしまいます。お口の中が歯垢や歯石で不衛生な状態となり、歯周病のリスクも高まるため、注意が必要です。
当院では、永久歯が完全に萌出する前に、これらの可能性を見込んだ治療を提案いたします。 - 破折
- 歯が折れたり、欠けたりすることを破折と言います。硬いものを噛んだ時や、強い衝撃が歯に加わった際によく起こります。
破折した箇所から、細菌が歯根や神経に入り込んだ場合は抜歯の必要もあります。食欲の低下や食べ方の違和感、出血などの症状を引き起こすため、早めの治療が大切です。
- 歯頚部吸収病巣(猫のみ)
- 歯頚部吸収病巣とは、歯を溶かす細胞(破歯細胞)の活性化により、歯と歯茎の境目が溶かされ、歯に穴が開いてしまう病気です。歯の神経が露出、強い痛みを伴います。口臭や歯肉の腫れ、よだれの量が増えることもあります。
予防歯科について
口内炎や歯周病などを防ぎ、毎日を健康に過ごすためには『予防』が欠かせません。
しかし、ペットのお口のケア方法が分からず、お困りの飼い主様も多いのではないでしょうか?
歯みがきは、人と同様動物にとって一番の歯周病の予防です。ですが、あまり一生けんめい歯みがきすることにこだわってしまうと、口の中の状態や動物の性格によっては、歯磨きされることが毎日の苦痛になってしまい、動物との良好な関係が損なわれてしまうことがあります。
当院では、予防のための歯垢や歯石の除去に対応しながら、その子とご家族にあった無理のないホームケアをご提供させていただければと思います
ご自宅でも簡単にできるケア方法についても、分かりやすくご指導いたしますので、どうぞ安心してお越しください。